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痛風・偽痛風について

痛風・偽痛風

《疾患概要》

痛風は、素因に基づく尿酸の生成・排泄異常により高尿酸血症を起こし、主として末梢の関節に尿酸塩結晶が沈着し急激な疼痛発作を繰り返す疾患です。偽痛風は、関節に痛風と似た疼痛発作を生じますが、痛風とは異なりピロリン酸結晶が沈着することにより生じる疾患です。

 

《要因・原因》

□痛風

痛風は男性に圧倒的に多い疾患で、高尿酸血症によって関節内に沈着した尿酸塩結晶が滑膜の炎症を引き起こすことで発症します。高尿酸血症はその成因から尿酸産生過剰型と、尿酸排泄低下型および両者が混在した混合型に分けられます。過剰となった尿酸結晶が関節に沈着すると結晶性滑膜炎が生じ、疼痛発作を起こします。痛風発作は暴飲暴食、局所の冷え、外傷などのほか、血中尿酸レベルの急激な低下でも生じます。

□偽痛風

ピロリン酸カルシウム結晶の沈着は遺伝的素因によって起こるほか、加齢や副甲状腺機能亢進症、ヘモクロマトーシス(先天的鉄代謝異常により起こる)、甲状腺機能低下症、痛風、低マグネシウム血症、低リン血症などの代謝性疾患に合併します。ピロリン酸結晶が関節炎を起こす機序については、痛風同様に結晶滑膜炎によるという説と、結晶が直接軟骨を破壊するという説とがあります。

 

《症状・臨床所見》

痛風発作は激烈な疼痛で発症する単関節炎であることが多いです。局所の発赤、腫脹、熱感、圧痛が  発症24時間以内にピークに達し、1週間程度で消失します。好発部位は母趾の中足趾節関節ですが、足関節や膝関節、アキレス腱基部などの関節外にも生じます。痛風が進行すると尿酸塩を主成分とした無痛性の痛風結節(肉芽腫)ができることがあります。関節のほか、耳介などにも発生します。偽痛風の局所所見は痛風発作と同様ですが、膝関節に発生することが多いです。

 

《検査・診断・分類》

痛風発作・偽痛風ともCRP(C反応性タンパク)陽性、白血球増多を認めることが多いです。血漿中の尿酸値7.0mg/dl以上で高尿酸血症と診断しますが、痛風発作時の尿酸値は低下していることもあります。偽痛風の関節穿刺液は黄白色の混濁液であり、化膿性関節炎との鑑別を要します。

□痛風の診断基準(米国リウマチ協会)

以下のa,b,cのいずれかを満たせば痛風と診断する。

a、特徴的な尿酸塩結晶が関節液などに存在する。

b、痛風結節中に化学的または偏光顕微鏡検査などで尿酸塩結晶の存在が証明できる。

c、次の臨床症状、検査所見のうち6項目以上に該当する。

1.急性関節炎の反復

2.1日以内に極限に達する炎症

3.単関節炎発作

4.関節の発赤

5.母趾中足趾関節の疼痛または腫脹

6.一側の母趾中足趾節関節の発作

7.一側の足根骨関節の発作

8.痛風結節の疑い

9.高尿酸血症

   10.関節の非対称性腫脹を示すX線所見

   11.びらんのない骨皮質下の嚢胞を示すX線所見

   12.関節炎発作中の関節液より細菌が検出されない

 

□偽痛風の診断基準(McCarty DJによる)

1

生検や関節液採取とX線回析によるピロリン酸カルシウム結晶の存在の証明

2

(a)補正偏光顕微鏡を用いた関節液中の弱い複屈折性を示す単斜性または三斜性結晶の存在の証明

(b)典型的石灰化のX線所見

3

(a)膝関節または大関節に存在する急性関節炎(高尿酸血症の合併は無関係)

(b)膝関節、股関節に存在する急性憎悪を伴う慢性関節炎

 

確定(definite):1または2(a)+2(b)

疑いあり(probable):2(a)または2(b)

可能性あり(possible):3(a)または3(b)

《治療》

痛風・偽痛風ともに、まず急性炎症に対する治療(局所の安静・冷却・非ステロイド性抗炎症薬の投与)を行います。痛風発作緩解後は、食事療法や薬物療法など高尿酸血症に対する治療を行います。偽痛風発作に関しては、関節液排除および関節内洗浄が効果的です。

 

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