花粉症の薬はいつから飲むべき?飲み始めるタイミングや治療薬の種類についても解説!【2024年最新】

「花粉症の症状がひどすぎてつらい」

「前もって薬を飲み始めれば症状がひどくなりにくいって聞いたけど、いつから飲み始めればいいんだろう」

こんな風に、花粉症の症状に悩まされている方は多いでしょう。

花粉症の薬は前もって飲み始めれば症状がひどくなりにくいといわれていますが、具体的にはいつから飲み始めればよいのでしょうか。

そこで、今回は花粉症の薬対策について解説します。

花粉症の症状が毎年重すぎてつらいと感じている方は、ぜひ参考にしてください。

花粉症の薬対策はいつから始めればいい?

花粉症の薬対策を始めるうえで意識してほしいのは以下の2つのことです。

    • 花粉が飛散する前から始める
    • 遅くても症状が少しでも出始めたら始める

症状が軽い時や、花粉が飛散する前から薬を使用し始める治療法を「初期療法」と呼びます。

症状が強くなってから治療を始める治療法である「導入療法」と比べた場合、初期療法は花粉症の症状を軽くすることがデータでも明らかになっています。

花粉飛散開始の1〜2週間前、難しければ症状が少しでも出始めた頃には、治療を開始するべきです。

スギ花粉は例年2月前半から飛散することが多いです。

1月後半から2月前半には、治療を開始すると花粉症の症状を軽くすることができるのではないでしょうか。

花粉が飛散している間は、薬の服用は続けておきましょう。

花粉症の薬の対策はなにがありますか?

花粉症対策の薬:舌下免疫療法

舌下免疫療法は、アレルゲン免疫療法(減感作療法)の一つです。

アレルゲン(アレルギーの原因物質)を少しずつ体に吸収させることによって、アレルギー反応を徐々に弱めていくという治療法です。

ただし、徐々にスギ花粉に対する免疫力を高めていくという治療方法になりますので、治療には3~5年程度かかることが難点となっています。

また、治療開始はスギ花粉の飛散しない6月〜12月に限定されます。

即効性はなく根気のいる治療だということを認識しておかなければなりません。

ヒノキ花粉など他の花粉には強い効果が期待できるわけではありませんので注意してください。

花粉症対策の薬:内服薬

花粉症は、花粉をアレルゲンとするアレルギー反応が起こり、アレルギー反応によってヒスタミンなどの化学物質が放出されることで症状が現れます。

花粉症の内服薬は、このヒスタミンなどの化学物質の働きを抑える事で症状を和らげる効果があるのです。

以前は、鼻や目の症状に関わるヒスタミンだけを抑えることは難しいことでした。

以前のアレルギー薬は「第一世代抗ヒスタミン薬」といわれ、脳に作用したりコリン受容体の働きまで抑えてしまうことで口の渇きや眠気が強く出てしまうといった副作用もあったのです。

現在ではヒスタミンを選択的に抑える「第二世代抗ヒスタミン薬」も開発されており、現在の内服薬の主流になっています。

花粉症対策の薬:点鼻薬

花粉症で鼻の症状が強い場合は、点鼻薬の使用がおすすめです。

内服薬の服用に加え、点鼻薬も併せて使用することでよりしっかりした花粉症対策を行うことができます。

点鼻薬は、鼻の炎症を抑えてることで、鼻水やくしゃみなどの花粉症症状を抑えるステロイド剤が主流です。

内服薬でステロイドを服用することは、ステロイドによる全身性の副作用が懸念されますが、ステロイド点鼻薬の場合は全身性の副作用は起こりにくく、鼻症状への効果も素早く現れます。

内服薬と同じくヒスタミンなどのアレルギー症状を抑える点鼻薬もあります。

花粉症対策の薬:点眼薬

花粉症で目の痒みなどの、目の症状が強い方は、点眼薬の使用がおすすめです。

点鼻薬と同じように、点眼薬も内服薬と併せて使用することでよりしっかりとした花粉症対策を行うことができます。

点眼薬で多く使われるのは、ヒスタミンを選択的に抑制する「第二世代抗ヒスタミン薬」です。

ステロイドも目の炎症を抑えるという点では効果的ですが、眼圧を上げてしまう可能性があるため、緑内障の方など、使用できない人もいます。

まずは抗ヒスタミン薬を使用し、効果がないようであればステロイド点眼薬を使います。

ただし、使用する際には緑内障でないことを確認しておく必要があるでしょう。

花粉症の薬の主な種類について

ここからは、花粉症でよく使用される薬について解説していきます。

自分に処方された薬がどんな薬か気になる方や、これから処方してもらうつもりの方はぜひ参考にしてください。

ビラノアOD

ビラノアOD錠は、第二世代抗ヒスタミン薬の中で最も眠気が出にくい薬といわれており、車の運転も可能です。

胃の中に食べ物が残っている状態では、効果が半減してしまいますので、起床時や眠前などの空腹時に服用するとよいでしょう。

1日1回の服用で効果が持続しますし、服用後1時間以内での効果の発現が期待できます。

副作用としては、眠気、口の渇き、頭痛、発疹、かゆみなどが報告されています。

ルパフィン

ルパフィン錠も第二世代抗ヒスタミン薬で、作用が強い薬と言われていますが、眠気が出やすいといわれています。

1日1回の服用で効果が持続し、服用後すぐ効果の発現が期待できます。眠気が出やすいので夜間の服用がおすすめです。

ヒスタミンを抑制するだけでなく、強い抗PAF(血小板活性化因子作用)を有するので、遅れてくる鼻閉などのアレルギー症状にも効果があるのが特徴です。

主な副作用として、眠気、倦怠感、口の渇き、便秘などが報告されています。

キプレス

キプレス錠は、後から遅れてくるアレルギー反応であるロイコトリエンを抑える抗ロイコトリエン薬です。抗ヒスタミン薬と併用することで、より強い花粉症対策ができるわけです。

眠気などの副作用はなく、1日1回の服用で効果は持続します。ただし、後から来るアレルギー反応を抑えるという作用機序なので、作用発現時間は早くはありません。

そのため、寝る前に服用するのが効果的です。

主な副作用として、下痢、腹痛、吐き気が報告されています。

ザイザル

ザイザル錠は、第二世代抗ヒスタミン薬で、1日1回で効果を発揮します。効果の発現も早く、1時間くらいで効果が出るといわれています。

先に開発されていたジルテックという薬を進化させたのがザイザルで、アレルギーを抑える効果がジルテックより強いといわれているだけでなく、眠気の副作用も少ないといわれています。

ザイザルは第二世代抗ヒスタミン薬の中でも、妊娠授乳中でも服用しやすい薬と位置付けられています。

主な副作用としては、眠気、口の渇き、便秘、下痢などが報告されています。

シダキュア

シダキュアは、スギ花粉症の舌下免疫療法のお薬で、スギ花粉を原料とするエキスから作られています。

スギ花粉が飛散している時期に服用を開始することは出来ませんので、服用開始は6〜12月です。

その後3〜5年服用を継続することで、治療中止後も長期間効果が期待できることがメリットです。

主な副作用として、痒み、口内の腫れ、喉の刺激感などが報告されます。

また、スギ花粉飛散時期は、アレルギー症状が強く出てしまう可能性もあるので十分注意してください。

モメタゾン点鼻薬

モメタゾン点鼻薬は、直接鼻の炎症を抑える「ステロイド点鼻薬」です。

直接鼻の炎症を抑えるため、即効性が期待でき、抗ヒスタミン内服薬との併用でしっかりとした花粉症対策が期待できます。

通常1日1回各鼻腔に2噴霧(12歳以下の子供は1噴霧)で1日効果が持続します。

主な副作用として鼻症状(刺激感、かゆみ、乾燥感、痛み、発赤など)、咽喉頭症状(刺激感、痛み、不快感、乾燥など)が報告されています。

パタノール 点眼液

パタノール点眼液は、第二世代抗ヒスタミン薬の目薬で、内服薬でも同じ成分でアレロックという薬があります。

ヒスタミンを抑える効果があり、目の痒みに効果を発揮します。抗ヒスタミン内服薬との併用も可能で、目の症状が強い人には使いやすい薬といえるでしょう。

通常1日4回で使います。

主な副作用として眼の痛み、角膜炎、眼の刺激感、まぶたのむくみなどが報告されています。

花粉症の薬、対策ならオンライン診察で

2022年4月から、初診であってもオンライン診察が認められるようになりました。

花粉症治療もオンライン診察で対応できるようになっています。

上で紹介した薬は要指示医薬品となっており、医師による診察、処方箋が必要となる薬です。

ドラッグストアなどで処方箋なしで購入できる医薬品もありますが、要指示医薬品の方がより効果は期待できます。

オンライン診察であれば、効果の期待できる薬を自宅に届けてもらうことができるのです。

花粉症のオンライン診察のメリット

花粉症治療でのオンライン診察のメリットは以下の通りです

  • 夜間や土日でも診察してもらえる
  • 自宅にいながら医師に診察してもらえる
  • 効果の期待できる薬を処方してもらえる

オンライン診察は、テレビ電話などを通じて医師の診察を受けることができ、自宅に薬局から薬を送ってもらえるサービスです。

オンライン診察に対応しているクリニックは夜間や土日でも対応してくれるところが多いです。

そのため、仕事で忙しい方でも医師の診察を受けることができます。

また、花粉症の方は外出すると花粉にさらされて症状が重くなってしまうこともあります。

自宅で薬が受け取れるオンライン診察は、花粉症の方には満足度の高いサービスといえるでしょう。

また、上で紹介した薬は全て医師による処方箋が必要で、市販されていない薬です。

オンライン診察であれば、このような薬も手に入れることができます。

花粉症の薬以外でできる自己対策

花粉症の薬がない場合、自分でできる花粉症対策はどのようなものがあるでしょうか。

有効な自己対策として、以下の3つを紹介します。

  • 花粉が体内に入るのを防ぐ
  • 加湿器を使用する
  • 手洗いうがい・鼻うがいを心がける

花粉が体内に入るのを防ぐ

1番の対策は、花粉が体内に入るのを防ぐということです。

花粉症は、花粉が体内に入り、アレルギー反応を起こすことで発症します。

そのため、マスクやメガネなどで花粉が体内に入らないようにすれば、花粉症の症状を軽減できる可能性があります。

屋外ではもちろんですが、屋内でも注意する必要があります。

ドアや窓を開けるたびに花粉は室内へと入り込んできますし、帰宅した際の衣服にも花粉は付着しています。

屋内でもマスク、メガネを外さない方がよいでしょう。

加湿器を使用する

花粉対策には、加湿器も有効です。空気が乾燥していると、喉や鼻も乾燥してしまうため、粘膜のバリア機能が低下します。

また、花粉は雨の日よりも、晴れの日の方が飛散しやすいことがわかっています。

つまり、空気が湿っていると花粉は移動しにくくなるのです。

加湿器で室内の湿度を高めることで、鼻や喉の粘膜バリア機能を高めて、さらに花粉の移動範囲を制限することで花粉が体内に入りこむのを防ぐことができるのです。

手洗いうがい・鼻うがいを心がける

手洗い、うがい、鼻うがいも効果的な花粉症対策です。

帰宅する時、衣服だけだなく手や足、口内や鼻に花粉は付着しています。

手洗い、うがい、鼻うがいを心がけることで体に付着した花粉を洗い流すこともできますし、乾燥していた鼻や喉を潤すことで粘膜のバリア機能を回復させることもできます。

手洗いうがいは、花粉症だけでなく風邪やインフルエンザなどの感染症対策にもなり一石二鳥ではないでしょうか。

花粉症の市販薬との違い

スイッチOTC医薬品について

以前は処方箋が必要だった薬が、有効性と安全性が認められて処方箋がなくてもドラッグストアなどで市販されるようになった医薬品をスイッチOTC医薬品といいます。

花粉症などのアレルギー治療薬も多くのスイッチOTC医薬品が発売されています。

処方箋が必要な薬と比べると、スイッチOTC医薬品は昔からある薬なので、効果が弱い場合が多いです。ジルテックやエバスチンなど、効果の強いスイッチOTC医薬品も市販されていますが、眠気が強いなどの副作用もあるので使用には注意が必要です。

スイッチOTC医薬品は、以前は処方箋が必要な薬であったことに変わりはないので、しっかりと薬剤師や登録販売者の説明を聞いて購入するようにしましょう。

花粉症の市販薬と処方薬との違いについて

花粉症の市販薬は、処方薬と比べて種類が少ないです。また第二世代抗ヒスタミン薬の中でも、市販薬は古いものが多く、新しい抗ヒスタミン薬は処方箋が必要な薬になります。

より強い効き目を期待したいのであれば、処方薬を手に入れる方がよいでしょう。

また、点眼薬や点鼻薬などの外用薬は、処方薬の方が明らかに効き目が強いので、しっかりと花粉症対策をしたいのであれば、一度医師の診察を受けることを検討してください。

ただし、スイッチOTC医薬品は、長く処方薬として使われてきた薬で有効性も安全性も証明されてきた薬、と考えることもできます。

花粉症かもしれないが、そこまで症状は重たくない、ということであれば市販薬で対応してもよいのではないでしょうか。

第一世代・第二世代抗ヒスタミン薬の違い

抗ヒスタミン薬には、第一世代抗ヒスタミン薬と第二世代抗ヒスタミン薬があります。

ここからはこの二つの抗ヒスタミン薬の違いについて解説していきます。

第一世代抗ヒスタミン薬

第一世代抗ヒスタミン薬は、即効性があり、長くアレルギー疾患への薬として使われてきました。

しかし、眠気などの中枢神経抑制作用や認知機能の低下、口の渇きや便秘、排尿困難などの抗コリン作用があり、多くの副作用があることが問題でした。

近年では、眠気や集中力の低下などが起こりやすいことからあまり使われていませんが、その中でも比較的安全性の高いポララミンはまだ使われています。

第二世代抗ヒスタミン薬

中枢神経抑制作用や抗コリン作用が問題であった第一世代抗ヒスタミン薬ですが、1980年以降にはより選択的にヒスタミン抑制ができる抗ヒスタミン薬が開発されました。第二世代抗ヒスタミン薬の誕生です。

現在でも第二世代抗ヒスタミン薬は花粉症治療の主流となっています。

近年でもビラノア、デザレックスなど新しい第二世代抗ヒスタミン薬が開発されており、より効果の強く、眠気の少ないアレルギー治療薬が増えてきています。

2024年の花粉症の薬に関するよくある質問

花粉症の薬で眠くなりますか?

花粉症などのアレルギー治療薬は、以前は脳のヒスタミン受容体にも影響することで眠気が出やすい薬が多かったです。

しかし、近年開発されたザイザルやビラノアのような眠気の出にくい花粉症の内服薬も増えてきています。

ただ、患者さんの体質によっては眠気が出てしまう場合もありますので、服用する際は注意してください。

内服薬でどうしても眠気が出るという方は、点鼻薬や点眼薬のみ使用するという方法もあります。

花粉症の薬で必ず効果はありますか?

花粉症の薬は、ヒスタミンを抑制したり、ロイコトリエンを抑えたりいろいろな薬があります。

どの薬も効果があることは実証されていますが、全ての患者さんに効果があるというわけではありません

薬が効きにくい体質の人もいますし、花粉の飛散量が多すぎて、薬の効果が追いつかない場合もあるでしょう。

花粉症の薬で、必ず効果があるわけではありませんが、まずは医師の診察を受けて相談してみるとよいでしょう。

花粉症の薬を飲んではいけない人はいますか?

花粉症の薬で過敏症を起こしたり、同じ系統の薬で重い副作用が出たことのある方は服用しない方がよいでしょう。

また舌下免疫療法は、弱めたとはいえスギ花粉を体内に入れることになりますので、特に重篤なスギ花粉アレルギーの方は慎重に服用すべきです。

花粉症の薬は、改善されているとはいえ眠気が出る可能性がある薬が多いです。薬によっては、タクシードライバーやトラック運転手など車の運転を仕事とする人は注意してください。

花粉症の薬はいつから始めても遅くないですか?

最初にも説明しましたが、花粉症の薬は花粉が飛散する前か症状が出始めたころに使用を開始する初期療法が効果的です。

ただし、症状が重くなってから使用し始める「導入療法」でも効果は期待できます。

辛いと思ったら薬の使用を検討してください。

ただし、舌下免疫療法はシーズンオフに開始する必要があります。

花粉症の薬対策はいつから行うかは事前対策が良い:まとめ

今回は、花粉症の薬対策について紹介してきました。

花粉飛散時期の1〜2週間前から薬を始めるのが効果的ですが、症状が重くなってから始めても効果はあります。

花粉症の内服薬は、以前は眠気や口の渇きなどの副作用が多かったですが、最近はザイザルやビラノアなど眠気の少ない内服薬も開発されています。

点鼻薬や点眼薬も内服薬と合わせて使うことでよりしっかしした花粉症対策が期待できます。

より効果が期待できる花粉症の薬は、市販薬よりも処方薬です。

処方薬は医師の診察が必要になりますが、オンライン診察で通院しなくても医師の診察が受けられるようになっていますので是非活用してください。