膝の裏が歩くと痛いのはなぜ?痛みの目安やストレッチ方法も紹介

歩いているときや走ったとき、階段の昇り降りなどのタイミングで、膝の裏が痛いと感じたことはないでしょうか。

膝裏に痛みが生じる原因は加齢や運動不足などが代表的ですが、それ以外にもさまざまな疾患が隠れているケースがあるのです。

そこで本記事では、膝の裏が痛くなる原因や、改善するために気軽にできるストレッチやマッサージ、治療法の一例などもあわせて解説します。

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膝の裏に痛みを感じる原因

膝の裏に痛みを感じる原因はさまざまで、疾患の種類によっても直接的な原因は異なります。

多くの疾患に共通しているのは、何らかの理由によって膝関節が炎症を起こし、痛みとして現れるものです。

膝は大腿骨と脛骨をつなぐ部位でもあり、スムーズな曲げ伸ばしができるよう軟骨や腱などが入り組んだ構造をしています。

また、体重を2本の脚で支えながら、歩いたり走ったりする際の衝撃を和らげる役割を果たしているのも膝です。

数ある関節のなかでも特に負担がかかりやすく、わずかなことが原因で痛みを発症することがあるのです。

▶︎膝の内側が痛い原因を解説|考えられる疾患や病院での治療法は?

膝の裏に痛みを感じたときに考えられる疾患や病気

膝裏の痛みを生じさせる疾患にはどのようなものがあるのでしょうか。

代表的な疾患・病気をいくつか紹介します。

①半月板損傷

半月板損傷とは、その名の通り膝関節にある半月板とよばれる軟骨が損傷する疾患です。

変形性膝関節症は半月板の摩耗によって起こりますが、半月板損傷は亀裂や割れなどが生じることで痛みを覚えます。進行すると変形性膝関節症に進んでいきます。

年齢を問わず発症し、特に激しいスポーツをしたり、普段運動の習慣がない方が無理に走ったりすると発症リスクが高まります。

▶︎半月板損傷を早く治す方法や症状が改善するリハビリについて解説

②変形性膝関節症

膝の痛みを訴える方のなかで、特に多い疾患が変形性膝関節症です。

関節の一部に負担がかかることで軟骨がすり減り、痛みや炎症を引き起こす疾患です。

また、重症化するとその名の通り膝関節が変形し可動域が悪くなり、痛みも強くなり、手術による治療が必要になる場合も少なくありません。

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③関節リウマチ

関節リウマチとは、免疫機能の異常によって正常な組織に炎症をもたらす疾患のことです。

膝関節に限らず、体のさまざまな関節に痛みや炎症が現れることが多く、特に中年の方が多いですが、最近では高齢者の発症割合も増えてきている傾向が見られます。

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④ベーカー嚢腫(のうしゅ)

ベーカー嚢腫とは、膝関節の裏にコブのようなものができ、炎症や痛みを引き起こす疾患です。

このコブの正体は、関節液が過剰に分泌され嚢胞として溜まったもの。

本来、関節液は膝をスムーズに曲げ伸ばしするための潤滑油のような役割を果たしていますが、何らかの理由によって過剰に分泌されるとコブのようになって現れます。

自覚症状が無ければ基本的に治療を行う必要はありません。

⑤痛風

尿酸値が上昇した際に発作として現れる痛風は、足の親指に痛みを生じることが一般的です。

しかし、これ以外にも膝関節に痛みが現れることがあります。

痛風の原因は暴飲暴食、肥満などが挙げられ、特にプリン体の多い食べ物や飲み物を摂取した場合に発作が現れやすくなります。

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膝の裏は歩きすぎると痛みやすくなる?

膝関節は大きな負荷がかかったときにも痛みを生じやすくなります。

特に、運動に慣れていない方が1万歩を越える長距離のウォーキングをすると、膝の筋力が十分でないため体重を支えきれず、痛みや炎症をともなうことがあります。

また、運動に慣れていたとしても、日常的に膝を酷使していると徐々にダメージが蓄積されていき、痛みが出てくることも少なくありません。

膝裏に痛みがあるにもかかわらず、無理に歩いたり走ったりすると重症化し、日常生活にも支障をきたすおそれがあるため注意しましょう。

▶︎膝の内側が痛い原因を解説|考えられる疾患や病院での治療法は?

膝の裏の痛みで病院に行くべき目安

一口に膝の裏の痛みといっても、人によって症状の程度は異なります。

わずかな痛みであれば安静にすることで改善することもありますが、以下のような症状が慢性的に現れる場合には整形外科を受診するのがおすすめです。

①正座・しゃがむことができない

正座をしたり、しゃがんだりする際に強烈な痛みを感じたり、膝が突っ張るような感覚に襲われて姿勢が維持できない場合、病院で診察してもらいましょう。

痛みや違和感があるにもかかわらず、無理な姿勢をキープしていると関節に負担をかけ続け、重症化するリスクがあります。

②ピキッとした痛みがある

膝を曲げ伸ばししたり、歩いたり走ったりした際に、ピキッとした鋭い痛みがある場合も、早めに病院で診てもらいましょう。

このような鋭い痛みは、筋肉や腱などの組織にダメージを与えている可能性も考えられます。

③階段や段差、坂道が辛い

階段や段差、坂道など、特に膝へ負担がかかる場面において痛みを感じる場合、変形性膝関節症半月板損傷などの可能性が考えられます。

できるだけ早めに診てもらい、理学療法士の指導のもとストレッチやリハビリをすることで早期改善が期待できます。

▶︎【膝の違和感】膝を伸ばしたときに出る痛み以外の症状と原因について解説

膝の裏が痛い時のストレッチ・マッサージについて

膝の裏に痛みが現れたとき、時間帯や曜日によってはすぐには病院に行けないこともあるでしょう。

そのような場合に、少しでも症状を緩和できるストレッチやマッサージを紹介します。

①ストレッチの方法

膝裏のストレッチには、スクワットをはじめとしてさまざまな方法があります。

しかし、スクワットは特に膝への負担が大きいため、トレーニングやストレッチの習慣がない方にとってはリスクが大きいでしょう。

おすすめは、立った状態でアキレス腱と膝裏を伸ばすストレッチです。

壁に両手を当てた状態で、左右いずれかの足を後方に伸ばします。

このとき、一気に足を伸ばすのではなく、はじめの段階は少し膝を曲げた状態で、徐々にかかとを落として足を伸ばすようにしましょう。

足が伸び切ったら、その状態を10秒程度キープして左右の足を入れ替え、同様の動作を行います。

②マッサージの方法

膝裏を自分の手でマッサージをしてみましょう。

膝関節の真裏の中央部分を親指以外の4本で持ち上げるようにして押します。

あまり強い力で押さえつけるのは厳禁ですが、ある程度の力を入れないと効果が見込めません

心地よいと感じる程度の力加減で、1分程度押さえましょう。

▶︎膝に突っ張りを感じる原因や疾患・解消するストレッチ方法を解説

膝の裏が痛い時の整形外科による検査と治療について

膝裏に痛みを生じたときには、自分自身で判断するのではなく整形外科を受診することがベストです。

クリニックによっても検査や治療の方法はさまざまですが、代表的な内容を紹介しましょう。

検査

膝に限らず、関節に痛みや違和感、突っ張った感覚などがある場合には、多くの場合レントゲンを撮影します。

その結果、骨に異常がないかを確認できたら、エコー検査で関節液の貯留や炎症部位の特定を行い、膝の関節内部の異常が疑わしい場合はMRI検査を行うケースが一般的です。

もちろん、患者様ご本人のお声を伺いながら、痛みが生じている部位に炎症や腫れ、その他目視や触って分かる異常がないかを確認することも欠かせない検査のひとつです。

治療

検査によって関節内部の状態が把握できたら、症状の進行度合いや痛みの程度に応じて治療方法を検討していきます。

痛みが比較的軽く動ける場合には、理学療法士の指導のもとリハビリでストレッチや筋力強化を行って、関節を動かしながら治療していくことが根本的な改善につながります。

また、痛みが強くリハビリが難しい場合には、ヒアルロン酸注射や超音波治療、体外衝撃波治療ハイドロリリース(筋膜リリース注射)のほか、PRP療法や脂肪幹細胞治療などの再生医療が選択されることもあります。

さらに、疾患が進行し末期の状態にある場合には、手術を行うケースも少なくありません。

いずれにしても、専門医による診断を行ったうえで患者さんへ説明を行い、納得したうえで治療法を選択することが前提となります。

▶︎ハイドロリリース(筋膜リリース注射)についてはこちら

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藤沢駅前順リハビリ整形外科は膝裏の痛みに特化した治療が可能

膝裏の痛みは人によっても症状の程度が異なるため、すべての患者さんにとって共通のベストな治療法は存在しません。

整形外科を受診した際に精密な検査を行うのはそのためであり、患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療法を選択することが改善への近道となります。

藤沢駅前順リハビリ整形外科では、レントゲンはもちろんのこと、エコーやMRIによる精密検査にも対応しています。

また、再生医療や体外衝撃波、ハイドロリリースといった先端医療を提供しているほか、パーソナルリハビリを行う理学療法士も常駐。

専門的な知識と豊富な経験に基づいたリハビリ指導が可能なほか、自宅でも継続できる正しいストレッチやマッサージ、トレーニング方法などもアドバイスが可能です。

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まとめ

膝の裏が痛くなるのは運動不足や体重増加が原因となっているケースもあれば、関節リウマチや痛風といった病気の症状である可能性もあります。

いずれにしても、自分自身で判断するのは危険であり、まずは整形外科を受診し検査を受け、医師に診察してもらうことが重要です。

早期に膝の痛みを改善するためには、理学療法士が在籍している整形外科へ通院するのがおすすめです。

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この記事の監修医師


藤沢駅前 順リハビリ整形外科  院長 渡邉 順哉

■詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●藤沢駅前順リハビリ整形外科 院長

 

 

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