半月板損傷を早く治す方法や症状が改善するリハビリについて解説

スポーツのしすぎや交通事故、加齢、体重の増加などによって、膝に負担がかかり痛みが生じることがあります。

一口に膝の痛みといってもさまざまな疾患に分けられますが、そのひとつに半月板損傷が挙げられます。

本記事では、半月板損傷と診断された場合にどういった治療が効果的なのか、リハビリの種類などもあわせて紹介します。

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半月板が損傷する原因

半月板損傷とは、大腿骨と脛骨をつなぐ膝関節にある半月板とよばれる軟骨に、亀裂が入ったり割れたりする疾患です。

半月板損傷が起こる理由としては、大きく分けて外傷性によるもの加齢によるものが考えられます。

外傷性

外傷性とは、外部から大きな力や圧力が加わることにより損傷するものです。

たとえば、長時間のランニングや急に立ち止まる、何度もジャンプを繰り返すなど、激しいスポーツをすると膝への負担も増大します。

また、事故などによって膝への物理的なダメージが加わったときにも外傷性の半月板損傷が起こる可能性が考えられるでしょう。

加齢

年齢を重ねてくると、長い年月をかけて半月板への負担が増大し、わずかな衝撃・外傷でも損傷することがあります。

特に、長時間のウォーキングや急な運動、膝をねじった際などに損傷リスクが高まります。

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半月板損傷の主な症状

半月板損傷が起こると、具体的にどういった症状が現れるのでしょうか。

損傷の度合いや進行状態によっても症状は変わってきますが、初期段階では膝を曲げたり伸ばしたりした際に、つっかかるような違和感を覚えるようになります。

特に痛みを伴わないケースも多いため、そのまま放置してしまう方も少なくありません。

その後、症状が進行していくと、軽い痛みを覚えるようになり、さらに重症化すると膝に関節液とよばれる水が溜まった状態になることも。

最悪の場合、ある日突然膝が動かなくなる「ロッキング」とよばれる状態に陥る危険性もあるのです。

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軽度の半月板損傷であれば自然治癒する?一生治らない?

膝に違和感や軽い痛みがあるからといって、必ずしも半月板損傷を発症しているとは限りません。

しかし、万が一検査の結果、半月板損傷と診断された場合、自然治癒の見込みは低いといえるでしょう。

違和感や軽い痛みがある軽症の段階であっても、徐々に悪化していくケースがほとんどのため、病院で適切な治療を受ける必要があるのです。

具体的な治療方法としては手術が一般的ですが、それ以外にもPRP治療や幹細胞治療、集束型体外衝撃波などを含めた再生医療は半月板損傷が修復する可能性があるためおすすめです。

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半月板損傷を早く治す方法:①保存療法

保存療法とは、メスで切ったり出血させたりすることなく、人体に負担をかけずに行う治療を指します。

薬物療法や運動療法、放射線療法なども保存療法のひとつであり、手術とは対照的な手法といえるでしょう。

半月板損傷の保存療法としては、自身の血液から抽出した多血小板血漿(PRP)を注射するPRP療法などの再生医療と、集束型体外衝撃波による治療がおすすめです。

また、症状や進行度合いが軽い場合には、理学療法士によるリハビリを行いながら痛み止めと湿布を処方するケースもあります。

保存療法のメリット

保存療法の最大のメリットは、なんといっても手術を必要としないことです。

手術は人体にメスを入れる以上、術後痕が残ってしまったり、一定期間の入院も必要です。

しかし、保存療法であれば術後に痕が残る心配もなく、入院が不要または最小限の期間に抑えられ、仕事にも支障をきたす心配がなくなります。

保存療法のデメリット

保存療法が用いられるのは、比較的症状が軽度な場合ほど有効になります。

そのため、重症化が進むにつれて保存療法で完治しにくくなってくるという点は注意が必要です。

完治までの期間

保存療法で完治を目指す場合の期間としては、行う治療方法によって大幅に変わってきます。

1か月程度で痛みが良くはなってきやすくなります。

保存療法では、長期に渡り完治せず悪化している場合には手術も検討しなければなりません。

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半月板損傷を早く治す方法:②手術

保存療法で効果が見られず重症化している場合には、最終手段として手術が選択されることもあります。

半月板損傷の手術は大きく分けて切除術(損傷した部位を切り取る手術)と縫合術(損傷した部位を縫い合わせる手術)があります。

比較的回復の早い30代までの若年層であれば、縫合術がおすすめです。

しかし、半月板切除の手術は将来的に変形性膝関節症に早期に移行してしまう可能性が低くありません。

手術のメリット

手術の最大のメリットとしては、痛みの原因となっている損傷部位を縫合または取り除くため、重症化によって保存療法が難しい場合でも治療が可能であることです。

手術のデメリット

手術のデメリットとしては、費用がかかることと、一定の入院期間とリハビリを要するため仕事への影響があることです。

縫合術の場合、仮に数日で退院できたとしても、数週間程度は松葉杖の必要性が高まります。

完治までの期間と費用

術後の経過や医師の判断によっても入院期間はまちまちですが、最短で3日、長い場合には退院まで2週間を要することもあります。

また、手術にかかる治療費は手術方法や入院期間によっても変わりますが、1週間程度の入院をした場合には保険3割適用で15万円前後の費用がかかります。

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半月板損傷の症状を改善させるためのリハビリ方法

半月板損傷の保存療法として、多く用いられるのがリハビリです。

どういったリハビリの方法があるのか、代表的なものをいくつか紹介しましょう。

関節可動域訓練

半月板損傷によって膝の曲げ伸ばしが困難になった場合に、可動域を徐々に広げていくリハビリ方法です。

手術後の装具固定によって可動域が狭まることもありますが、これを回復させるために用いられることもあります。

関節可動域訓練は、90°、120°、完全に膝を曲げきるまでの段階に分けられ、術後の経過や痛みの状態を見極めながら移行していきます。

筋力トレーニング

関節可動域訓練によって膝の曲げ伸ばしができるようになったら、筋力を回復させるためのトレーニングを行います。

膝そのものの筋力というよりは、特に大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)の筋力アップが重要であり、無理のない範囲で少しずつ継続することで半月板損傷の再発防止につながります。

バランストレーニング

松葉杖の生活がしばらく続くと、筋力が低下するだけでなく足のバランス感覚も失われることがあります。

この状態で日常生活に戻ってしまうと、歩行や階段の昇り降りの際にバランスを崩し、再び半月板を損傷するリスクが高まります。

これを防ぐために、バランスボードやバランスディスクなどの専用器具を使用し、本来のバランス感覚を取り戻すトレーニングを行います。

ウォーキング

本来の膝の感覚を取り戻してきたら、ウォーキングをスタートさせます。

いきなり長距離の歩行は膝への負担を増大することになるため、少しずつ歩数や距離を伸ばしていきます。

1万歩以内にとどめるのがよいと考えられています。

アスレチックリハビリテーション

上記のリハビリを行い、ほぼ日常生活に支障をきたさないレベルまで到達したら、仕上げとしてアスレチックリハビリテーションを行います。

軽いジョギングからスタートし、膝の痛みや違和感がないかを確認します。

そのうえで、両足のジャンプやスポーツ競技を取り入れた実践的な動きを訓練していきます。

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イノルト整形外科は患者に合わせたオーダーメイド治療を提供

半月板損傷の早期改善にあたっては、保存療法や手術も含めた最適な治療法を選択することが重要です。

しかし、膝に痛みや違和感があるからといって、必ずしも半月板損傷であるとは限りません。

まずは骨に異常がないかを確認し、そのうえで精密検査を受ける必要があるのです。

イノルト整形外科では、レントゲンはもちろん、エコーやMRIといったさまざまな検査機器を用意しており、精密検査が可能です。

さらに、再生医療や体外衝撃波、ハイドロリリースなどの最新鋭の医療にも対応しており、膝関節のさまざまな悩みを解決します。

ちなみに、整形外科のなかには理学療法士が常駐していないクリニックも少なくありません。

イノルト整形外科では理学療法士が常駐しており、その人の症状や痛みに合わせたパーソナルリハビリを提供する膝のお悩みに特化した医療機関です。

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まとめ

膝の痛みや違和感を覚えたとき、半月板損傷もひとつの原因として考えられます。

半月板損傷は自然治癒が難しく、症状が軽いからといって放置しておくと進行し、重症化するおそれがあります。

自分自身で検査をしたり判断したりすることは難しいため、まずは整形外科を受診し精密な検査を受けてみましょう。

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この記事の監修医師


藤沢駅前 順リハビリ整形外科  院長 渡邉 順哉

■詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 院長

 

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