膝の下が痛い人必見!原因や痛みやすい人の特徴や治療法を解説

膝の下が痛い!」という症状はありませんか?

もしかしたら膝蓋腱炎(ジャンパー膝)やオスグッド病などの疾患かもしれません。

今回は「膝の下が痛い」と悩む方向けに膝の下に発生する痛みの原因や治療法を解説致します。

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膝の下が痛む原因

膝の下が痛む場合、「膝の使いすぎ(オーバーユース)による膝周囲の組織の炎症」が原因として考えられます。

特に、構造上、膝の下には膝蓋腱と呼ばれるお皿(膝蓋骨)と脛骨(すねの骨)を結ぶ健があります。

他にもふとももの筋肉である大腿四頭筋が骨にくっついている脛骨粗面があり、膝の屈伸動作を頻回に繰り返すことでこれらの部位が炎症を起こすことがあります。

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膝の下の痛みで考えられる病気や疾患

疾患名としては、

  1. 膝蓋腱炎(しつがいけんえん)
  2. オスグッド病

が考えられます。

膝蓋腱炎とは、“ジャンパー膝”とも呼ばれ、主に膝の前面が痛むスポーツ疾患です。

名前のとおり、ジャンプやダッシュのような膝の曲げ伸ばし動作を頻繁に繰り返すことなどにより、膝蓋骨(お皿)の腱が損傷し、膝前面の痛みを引き起こします。

バスケットボールやバレー、サッカーなどジャンプとダッシュを繰り返すスポーツをしている方に多くみられる症状です。

オスグッド病(オスグッド・シュラッター病)とは、太ももの前面にある大きな筋肉(大腿四頭筋)が、成長しきっていない膝のお皿の下骨の一部(脛骨粗面:けいこつそめん)を引っ張りすぎることで成長軟骨を剥離させ、痛みや腫れが起こります。

オスグッド病はオーバーユースが原因で起こるスポーツ障害です。 大腿四頭筋の柔軟性が低下し、すねの骨(脛骨粗面)に負担がかかって発症します。

また、10~15歳の成長期の子供に多いですが、これは子供の骨は成長しきっておらず、柔らかいためオスグッド病になりやすいことが原因として挙げられます。

どちらの疾患も下記の症状が特徴的です。

  • ジャンプすると痛む
  • 歩く、走る、階段を昇降すると痛む
  • 膝を曲げ伸ばしすると痛む
  • 圧痛(指で押すと痛い)
  • 熱感(触ると熱い)

また、痛みが生じるタイミングとしては下記が挙げられます。

  • 急激な膝の曲げ伸ばしを含む動作をすることで痛みが出ること
  • 患部を押すと痛みがあること
  • 痛みがある部分が熱を持つこと(炎症症状)

初期は運動をしたとき、また運動直後に痛みを感じますが、そのまま放置し、炎症が強くなると安静時にも痛みを生じるようになってきます。

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膝の下の痛みに効果のあるストレッチ方法

ふとももの筋肉(大腿四頭筋)の柔軟性向上を目的としたストレッチやアイシング、ウォームアップとクールダウンが大きな役割を果たします。

ストレッチの方法を紹介します。

  1. 転倒予防とストレッチの姿勢を作るためまずは壁や机、イスなどを把持してバランスをとれる状態を作ります。
  2. 次にストレッチする足の膝を曲げて足の甲を持ち、ゆっくりとかかとをお尻に近づけます。
  3. このとき、ふとももの筋肉(大腿四頭筋)が伸びているのを意識します。

腰が反ると効果が減弱しますので、腰を逸らさないように注意してください。

手で足首を持つ姿勢がつらい場合は、タオルを足首に引っ掛け、それを引き上げる方法でも可能です。

なお、炎症が強い場合は先にアイシングや消炎鎮痛剤などで炎症の収まりを待つ必要があるので、ストレッチをして痛みがある場合は無理をせず、医師にご相談ください。

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膝の下の痛みを悪化させないための注意点

膝下の痛みは、上述のように”膝の使いすぎ(オーバーユース)”から起こります。

まずは炎症を治めるために安静にすることが大切です。

バスケットやサッカー、ラグビーやバレーなど激しい動きを要求されるスポーツはしばらく休むか頻度を下げ、できるだけ安静にするようにする必要があります。

よく、部活やスポーツを休むと周りに遅れを取ってしまうと無理して運動を継続される方がいますが、逆効果です。

膝が痛いときは脚以外の筋力トレーニングなどを行い、しっかりと休むようにしたほうが逆に痛みが長引かず、早くスポーツに復帰することができます。

また、歩く、走るなどの動作も膝に負担をかけるので、痛みが強い時期にはできるだけ控えるようにします。

膝を酷使する階段昇降もできるだけ避け、エレベーターやエスカレーターを使うようにしましょう。

日常生活の中で正座をする方は、できるだけ椅子を使うようにすることで膝の負担を軽減することができます。

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膝の下の痛みに効果のある治療方法

膝の下の痛みに効果のある治療法は下記が挙げられます。

  • 薬物療法
  • 物理療法
  • 運動療法
  • 再生医療

薬物療法では、消炎鎮痛剤(湿布や飲薬)、痛み止めなどがあります。

多くの場合、薬物療法を併用しながら治療を進めていきます。

物理療法では、温熱療法といって、マイクロ波低周波などで患部を温めたり、細胞を賦活することで回復を早める方法があります。

また、炎症が強い時期には患部を冷やす(アイシング)ことで炎症の痛みを緩和することができます。運動療法ではストレッチや筋力トレーニングがあります。

膝の下の痛みに対して、ストレッチを行い、大腿四頭筋の柔軟性を向上させることで痛みの出にくい状態にすることができます。

また、近年では再生医療のPRP(Platelet Rich Plasma)注射なども行われています。

PRPとは、採取した血液を遠心分離にかけて、血小板を抽出した液体(多血小板血漿)のことを言います。

PRP注射を行うとその部分の組織の修復が促進され、早期治癒や疼痛の軽減効果をもたらします。

膝の痛みに対しても有効で、変形性関節症などで疼痛軽減や組織の回復を促す目的で使用されます。

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イノルト整形外科はオーダーメイド治療の提供が可能

当院では、膝の痛みでお悩みの方に対して、上述の再生医療だけではなく、体外衝撃波治療、ハイドロリリース、物理療法、薬物療法、装具療法などの保存療法のほか、手術療法もご提案します。

痛みを改善したり、運動能力を回復して、日常生活の中で痛みに困ることがなくなるようお手伝い致します。

豊富な治療法の中から、その方に合った治療法を提案させて頂きます。

まとめ

膝の下の痛みがある方は、原因として「膝の使いすぎ(オーバーユース)による組織の炎症」が考えられます。

具体的な疾患名としては、

  • 膝蓋腱炎
  • オスグッド病

があります。

どちらの疾患も、大腿四頭筋の柔軟性を向上させるストレッチで痛みを発生しにくくすることができます。

炎症が強い時期には運動やストレッチをするよりもアイシングや消炎鎮痛剤を併用して膝にできるだけ負担を掛けない生活を心がけることが大切です。

膝の下の痛みがある場合、まずは病院を受診し、診断を受け、疾患の診断、炎症や痛みの種類の判別を行い、適切な治療方法を医師と相談しながら選択し、進めていくことが大切です。

早急に対応が必要な場合もあるので、できるだけ早く診察を受けることをおすすめします。

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この記事の監修医師


藤沢駅前 順リハビリ整形外科  院長 渡邉 順哉

■詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●イノルト整形外科 院長

 

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