神経系は中枢神経系と抹消神経系にわけられる。いずれも神経細胞と神経膠細胞から構成されている。
ニューロンは神経単位ともいわれている。
基本的には細胞体と突起からなる。
突起には軸索突起があり、突起には樹状突起と長い軸索突起があり神経繊維ともいう。
軸索はシュワン細胞の膜に包まれている。
神経線維の分類では中枢から末梢へ伝える求心性神経線維と末梢から中枢へ興奮を伝える。
末梢から中枢に伝える求心性線維がある。
神経の変性で1次変性と2次変性がある。
神経線維の切断中枢側と末梢側で切断され軸索の破壊や髄鞘の崩壊で障害が生じる1次変性と時間の経過で障害が広がる2次変性が生じる。
神経が断裂すると日数が長くなると中枢神経にも変性が生じる。
神経切断後は末梢と中枢から神経が伸びうまく出会うと再生することもある。

疾患では坐骨神経痛がある
坐骨神経は腰椎から伸び、梨状筋を貫通し(個人差あり)ハムストリングス、下腿後面を通過する。
腰椎レベルの障害でなく、末梢神経による障害であれば、軟部組織への滑走性の改善を促すことで症状を軽減できる可能性もある
坐骨神経では梨状筋の緊張の確認、ハムストリングスの緊張の確認、下腿レベルでの筋の緊張の確認が必要である。
それらの筋の緊張を低下できると神経の圧を軽減できることで症状の緩和が期待できる可能性もある。
また筋の状態だけでなく、皮膚の伸張性などもアプローチの対象である。
梨状筋は上殿神経と下殿神経も関与しているため、上殿神経の支配を受ける中臀筋と下殿神経の支配を受ける大臀筋の出力に関与する。
歩行時に骨盤の側方動揺が生じている場合は中臀筋の筋力低下を考慮するが、中臀筋の筋力低下が廃用によるものか、中臀筋を支配する上殿神経が梨状筋の絞扼によって中臀筋の筋出力の低下を生じている可能性もある。
また歩行時に中臀筋の筋力低下は梨状筋に過剰収縮が生じるため、過緊張が生じ、上殿神経の絞扼を助長される可能性もある

また歩行時以外にも骨盤後傾位での座位では梨状筋の伸張が生じ、坐骨神経の絞扼を生じる可能性もある。
そのため、座位でのアライメントの確認や骨盤の可動性評価し、梨状筋への過負荷が生じないように注意する必要がある。
また座位では足を組まないように指導が必要である。
坐骨神経以外にも大腿外側の痺れなどにも関与する。

末梢神経では梨状筋以外にも、足部や膝関節周囲の伏在神経などがある。
また上肢の痺れ症状にも末梢神経による障害へのアプローチも神経の走行を考慮し、神経に圧がかからないように、周囲の筋のコンディショニング、皮膚の伸張性も評価し、実施していく。
筋のコンディションは血管から栄養を受けているため、筋のコンディショニングを整えることで血液循環の改善が期待でき、そうすることで筋への血液供給が改善され、筋のコンディショニングにもよりよい効果を期待できる。
筋、皮膚そして関節の神経支配に関する知識は末梢神経あるいは神経根の損傷において、臨床的治療には必要不可欠である。
肘関節の屈曲は上腕二頭筋、上腕筋を支配する筋皮神経、橈骨神経は腕橈骨筋や上腕外側を支配している。
上腕三頭筋なども橈骨神経支配している。これらの神経の損傷が生じると肘関節の運動障害が生じる。

姿勢によっては神経の滑走障害にも関与することも大いにあるため筋のコンディショニングによる、筋そのものの状態、神経への過負荷を避ける姿勢を自然にとれるようにするための関節可動域の獲得が必要である。
そのため、局所だけでなく全身的なアプローチが必要である。