立ち上がったときや運動したとき、あるいは安静にしている状態など、かかとに痛みを感じることはないでしょうか。
大きな負担がかかりやすい部位だからこそ、痛みが現れる原因はさまざまです。
本記事では、かかとの痛みを感じる場合に考えられる原因や疾患、正しい対処法をご紹介します。
かかとの痛みの主な原因|考えられる病気や疾患
かかとに痛みを覚える場合にはさまざまな原因が考えられ、場合によっては何らかの病気や疾患を発症していることもあります。
足底筋膜炎
ベッドや椅子から立ち上がったときや、歩き出したときなどに痛みが現れる場合、足底筋膜炎の可能性があります。
足底腱膜とは土踏まずの形を維持している組織であり、かかとから指の付け根のあたりにかけて腱がつながっています。
ウォーキングやランニング、ジャンプなどで足の裏に大きな負荷がかかり続けると足底筋膜を引っ張る力が強くなり、かかとに炎症や痛みが現れるようになります。
炎症が長期化すると、踵骨棘という踵の骨の足底筋膜が付いている部位が棘のように変化してしまうことがありますが、必ずしも痛みが生じるわけではありません。
アキレス腱炎
歩いたり走ったりしたときに、アキレス腱からかかとにかけて痛みが現れる場合には、アキレス腱炎の可能性があります。
初期は軽い痛みや違和感を覚える程度ですが、日常的にアキレス腱に負荷がかかると症状が進行し、痛みの程度も強くなっていきます。
変形性足関節症
足関節炎とはその名の通り、足首の関節に炎症が起こる疾患のことです。
足首は体重を支える部位のため、大きな負荷がかかることで炎症や痛みを発症しやすく、重症化すると立っていられなくなるほど強い痛みを生じることもあります。
かかとに生じる痛みの特徴としては、ベッドや椅子から立ち上がったときや歩き始めのときに痛みを感じやすいです。
足根管症候群
足根管症候群とは、かかとの内側にある神経(後脛骨神経)が圧迫されることで発症する神経症です。
立ち上がったときや、歩いたり走ったりしたときに足の一部が痛み、ときには痺れを感じることもあります。
一般的には足首や足の指、甲などに痛みを感じることが多いですが、かかとや足の裏にかけて痛みを感じるケースも少なくありません。
適切でない靴の着用
靴のサイズや形状が合っていないことも可能性として考えられます。
靴の内部は土踏まずをサポートするように適度な膨らみがありますが、この部分の高さが足りないと土踏まずをサポートできません。
すると負担がかかってしまい、足底筋膜炎などを発症させることもあります。
過体重
足底筋膜炎やアキレス腱炎、足関節炎などの炎症は、体重の増加が原因で発症することが多くあります。
特に食べ過ぎや運動不足などによって急激に体重が増加すると、筋力だけでは支えきれなくなり、関節や腱などの組織に強烈な痛みを感じることがあるのです。
過度な運動(オーバーユース)
運動のしすぎによってかかとに負担がかかり、痛みの原因になることもあります。
特にバスケットボールやバレーボールなど、ジャンプと着地を頻繁に繰り返す運動や、長距離を走るマラソンなどは足にかかる負担も大きくなりがちです。
関連記事:アキレス腱が痛いのは病気?マッサージや対処法を紹介
痛風でかかとが痛くなることがある?
痛風とは、結晶化した尿酸が体内に留まり、さまざまな部位に痛みを生じさせる病気のことです。
その名の通り「風が吹くだけでも痛い」と感じるほど強烈な痛みが現れることもあり、尿酸値が高くなると痛風の発作が起こりやすくなります。
一般的に痛風と聞くと、足の親指の付け根が腫れ強く痛むというイメージがありますが、これ以外にも足首や足の甲、くるぶし、膝、手、そしてかかとにも痛みが現れる場合があります。
そのため、もともと痛風の持病がある方、もしくは健康診断で尿酸値が高いと指摘があった方などは、かかとが痛む場合に痛風の発作が起こっている可能性も否定できないのです。
かかとの痛みと更年期の関係
40代から50代の更年期にさしかかると、かかとの痛みが現れることも少なくありません。
痛みの直接的な原因は、足底筋膜炎を発症しているケースが多いのですが、特に更年期の女性はホルモンバランスの変化によって骨格のバランスが崩れることがあります。
これによって体重を支える足の裏に負担がかかり、足底筋膜炎を発症する可能性が高くなるのです。
また、女性ホルモンの減少によって筋肉の量も減っていき、関節を安定させる力も弱くなってしまいます。
その結果、特に負担のかかる足の骨格に歪みや変形が生じ、かかとが痛む原因にもなります。
関連記事:膝の下が痛い人必見!原因や痛みやすい人の特徴や治療法を解説
かかとの後ろが痛いときの原因は?
かかとの後ろの部分に痛みを感じる場合には、アキレス腱炎を発症している可能性が考えられるでしょう。
アキレス腱は、腓腹筋やヒラメ筋などから伸びる複数の腱で構成されており、かかとの骨につながっています。
運動のしすぎや無理な力がアキレス腱に加わると炎症を引き起こし、かかとの後ろからふくらはぎの下部分にかけて痛みが生じることがあります。
アキレス腱が炎症している状態で無理に運動を続けると、最悪の場合アキレス腱が断裂し歩行ができなくなるケースもあるため無理は禁物です。
かかとの痛みへの対処法
かかとの痛みが現れた場合、症状を和らげるためにはどういったことが大切なのでしょうか。正しい対処法をご紹介します。
休息
かかとに痛みが現れる場合、骨や軟骨、腱などの組織に炎症が起こっているケースがほとんどです。
この状態で痛みを我慢しながら無理に足を動かしたり、大きな負荷をかけたりするとさらに状態を悪化させる可能性があるため、まずは安静にすることが大切です。
ストレッチ
かかとの痛みを防止するためには、運動の前にストレッチを行うことが大切です。
特に、かかとに繋がっているアキレス腱は急に動かすと断裂する危険もあるため、入念なストレッチは欠かせません。
また、日常的にストレッチを行うことで筋力も強化され、関節を安定的に保護することにもつながります。
足に合った靴を履く
極端に大きい、あるいは小さすぎる靴を履いていると、体重を支える足のバランスが崩れ過度な負担がかかります。
また、ソールの薄い靴やクッション性の低い靴も、かかとに負担が集中し痛みの原因になることがあります。
適切なサイズの靴を選ぶことはもちろんですが、長距離を移動する際には土踏まずをサポートしてくれるアーチサポートのソールや、クッション性の高い靴を選ぶことも重要といえるでしょう。
体重管理
体重が増加すると足への負担も増大し、かかとを痛める原因になります。
バランスの良い食生活で摂取カロリーのコントロールに気を付け、適度な運動も継続しながら体重をコントロールしましょう。
ただし、かかとを痛めている状態で長距離のウォーキングやランニングを行うと状態を悪化させるため、足に負担のかからない筋力トレーニングや水泳などからはじめてみるのもおすすめです。
整形外科での治療
かかとの痛みの根本原因を解消するためには、整形外科で治療を受けることがもっとも有効で確実な方法といえるでしょう。
クリニックによっても対応している治療法はさまざまです。
・アーチサポートインソールのような装具療法
・痛み止めの飲み薬
・湿布といった薬物療法
これらを行いながらリハビリを繰り返していくケースが多いでしょう。
また、より高い効果が見込める治療法として「体外衝撃波治療」があります。
これは、医療用に調節された特殊な衝撃波を患部に照射することで、痛みを伝える神経物質を減らし、同時に炎症した組織の再生を促し慢性的な痛みを緩和するというものです。
体外衝撃波治療には拡散型と集束型の2種類がありますが、集束型の方がより高い効果を期待することができます。
足底筋膜炎に効くマッサージ
かかとの痛みを引き起こすことの多い足底筋膜炎を予防したり、痛みを緩和したりするために自宅で手軽にできるマッサージもあります。
- 椅子または床に座った状態で左右いずれかの膝を曲げる
- 足の指を手でつかみ、手前側に反らす
- 反対側の手で足の裏を1分ほどマッサージする
足の指を反らすときには力を入れすぎず、土踏まずの腱が伸びた状態をキープしてください。
また、かかとに痛みがある場合には、無理に強い力で揉まないように注意してください。
かかとの痛みなら藤沢駅前順リハビリ整形外科へご相談ください
かかとに痛みを感じる場合、考えられる原因はさまざまで簡単に判断できるものではありません。
早い段階で症状を緩和するためには、治療実績が豊富で多様な治療法に対応している整形外科クリニックを選ぶことが大切です。
藤沢駅前順リハビリ整形外科では、今回ご紹介した足底筋膜炎やアキレス腱炎などさまざまな疾患の治療に対応しています。
薬物療法やリハビリテーションはもちろんのこと、体外衝撃波治療の設備も集束型も拡散型も両方取り揃えております。
患者様の状態を見ながら、最適な治療法をご提案することができます。
まとめ
かかとの痛みを放置しておくと炎症が重症化しさらに強い痛みが現れたり、痛みの範囲が拡大していく可能性もあります。
また、痛みを感じた場合には無理に動かしたり負担をかけたりするのは禁物で、安静にすることも心がけましょう。
かかとの痛みが気になっているものの、原因がはっきりと分からず不安に感じているという方は、ぜひ一度藤沢駅前順リハビリ整形外科へご相談ください。
藤沢駅前順リハビリ整形外科のアクセスマップ
藤沢駅前 順リハビリ整形外科 院長 渡邉 順哉
経歴
●東邦大学 医学部 卒業
●横浜市立大学附属市民総合医療センター 整形外科
●藤沢駅前順リハビリ整形外科 院長
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