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特発性大腿骨頭壊死

特発性大腿骨頭壊死とは

疾患概要

大腿骨頭壊死は大腿骨頭への血流が阻害されることによって起きます。大腿骨頸部骨折など原因がわかっているものは二次性(症候性)大腿骨頭壊死といわれますが、これに対して原因が不明なものを特発性大腿骨頭壊死とよびます。

誘因・原因

特発性大腿骨頭壊死は、ステロイド性、アルコール性、狭義の特発性の3群に分けられます。副腎皮質ステロイド薬の投与やアルコール摂取が大腿骨頭の血流障害に関与していると考えられますが、発生機序についてはわかっていません。血流障害によって、大腿骨頭内に壊死した部分が生じ、壊死が荷重部の広い範囲に生じると、日常生活で繰り返される荷重のために、やがて壊死部は骨折を起こして圧潰(押しつぶされること)します。大腿骨頭が圧潰すると球状でなくなるため、骨盤側の寛骨臼と適合性が失われます。このために次第に関節軟骨が変性、摩耗し変形性関節症が進行していきます。

症状・臨床所見

股関節の疼痛、可動域制限が生じます。骨頭が圧潰すると疼痛が急に憎悪し、のちに変形性関節症による疼痛も加わわります。進行すると関節の可動域が制限され、跛行(引きずって歩行するなど普通に歩行できない状態)も呈するようになります。

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検査・診断・分類

単純X線検査

壊死の発生直後には異常は認められません。壊死に対する修復機転が始まり、健常部と接する壊死部に新生骨が添加されると帯状硬化像がみられるようになります。壊死部が圧潰すると骨頭の陥没変形を生じ、変形性関節症が進行すると関節裂隙が狭小化します。

MRI検査

早期診断に有用です。T1強調像で壊死部と健常部の境界に帯状低信号域がみられます。

治療

壊死の範囲が比較的狭い場合は、健常部で荷重を受けられるように骨切り術が行われます。健常部が外側にあれば内反骨切り術が、後方にあれば前方回転骨切り術(杉岡式)が行われます。壊死範囲が広範で骨頭が圧潰している場合、変形性関節症が生じている場合は人工関節置換術が行われます。

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監修医師紹介

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渡邉 順哉 医師

所属組織

開業後2年間で、全国から患者様が来院する整形外科へと成長させた。年間のべ1万人以上を診察し、得意分野は骨粗鬆症の他、関節疾患などのハイドロリリースや体外衝撃波、再生医療、理学療法士のリハビリ。モットーは「体の悩みを解決できる最適な提案をする」こと。

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